お盆は、お正月と並べて語られることの多い日本の伝統行事の一つです。
子供にとってお盆は不思議な日です。
お盆の時期になると、
お盆てなぁに~?
いつなの~?
ご先祖様ってだ~れ~?
お墓参りってなんでするの?
などなど、たーっくさん質問されませんか?
自分ではなんとな~くお盆の意味は分かっているつもりですが、
子供にいざ説明しようと思っても、意外と難しくて上手く子どもに伝えられない!!
なんて教えたらいいんだろう...?
と、話しが止まってしまうことがあるのではないでしょうか。
そこで今回はそんな子どもの疑問を解決すべく、
- お盆とは一体何か
- いつのことで、何をするのか
- ご先祖さまとは誰か
- お墓参りをする理由
を子どもに説明できるよう、お盆についてまとめました。
まずは自分が「なんとなく」ではなくしっかりと意味を知って、子どもがわかりやすいように伝えてあげましょう!
お盆とは?
お盆は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」といい、祖先の霊を供養する行事です。
お盆の明確な起源は分かっていないようですが、
1年に2度、初春と初秋の満月の日に祖先の霊が子孫のもとを訪れて交流する行事がありました。
初秋のものが盂蘭盆と習合して、仏教の行事として行なわれるようになったといわれており、これが現代の『お盆』に当たるのですね。
日本では8世紀ごろに、夏に祖先供養を行う風習が確立されたと考えられています。
子どもにわかりやすくいうなら、
「ご先祖さまの霊をお迎えして、感謝の気持ちを伝える日」
というのはいかがでしょうか。
お盆はいつ?期間は?
お盆は、伝統的には旧暦7月15日にあたる中元節の日に祝われていました。
日本では明治6年(1873年)1月1日に新暦が採用され、それ以降は
地域によって7月13日から16日に行うところと、
8月13日から16日に行うところがあります。
東京や沖縄以外の地域では、8月にお盆を行うところが多いです。
8月のお盆は月遅れのお盆(旧盆)といわれ、
東京と地方とでお盆の時期をずらすことで、家族や親戚が集まりやすく、
みんなでゆっくりご先祖さまの供養ができることから、8月のお盆が一般化したと言われています。
お盆はどう過ごすの?何を行うの?
お盆にはご先祖様をお迎えしましょう。
お迎えするためにすることはいくつかありますので、順番に見ていきましょう。
迎え火と送り火
お盆には先祖の霊が明かりを頼りにかえってくるといわれ、
地域によって違いますが、一般的に13日の夕刻に盆ちょうちんを飾り、庭先や玄関先で麻幹(おがら)をたきます。
これを迎え火といいます。
送り火は16日の夕刻ごろ、迎え火と同じ場所で送り火をたき、帰り道を照らして霊を送ります。
京都の五山送り火が有名ですよね。
お盆のお供えもの
もっとも有名なのは、割り箸をさしたきゅうりとなすです。
きゅうりは馬、なすは牛を意味してます。
これは、精霊馬(しょうりょううま)といい、
お盆の時期に、ご先祖さまがお空から来て帰るための移動に使います。
来るときは「少しでも早く帰って来れるように」、足の早い馬を、
帰るときは「少しでもゆっくり戻って欲しい」ので、足の遅い牛を、
という意味でお供えします。
子どもの頃にきゅうりとなすに割り箸がささってたっているのをお盆の時期にはいつも見て
「なぜなすときゅうりに割り箸が?」と思っていました。
子どもに聞かれたら
「きゅうりは馬、なすは牛で、ご先祖様がお空から来て帰る時に使うのよ。
早く来れるように足の速い馬を、のんびり戻っていけるように足の遅い牛を使うの。」
てな感じで説明してみましょう!
次にほおずきです。
ほおずきは迎え火や提灯の意味があります。
また、農作物があまりとれなかった時代に、御供物が不足していたので、
綺麗なほうずきで、不足を補ったと言われています。
そして果物。
丸い果物が良いとされていて、中でもスイカが一番喜ばれます。
ほかにも、メロンや桃など、特に決まりはないようなので、
ご先祖さまの好きだった果物をお供えしましょう。
果物は切らずに、そのままお供えしてくださいね。
それからだんご。
お団子は、ご先祖様が帰る時に持っていくお土産の意味があります。
団子の種類も、決まりはありません。
お墓参り
ご先祖さまが眠っているお墓と回りをきれいに掃除して、
自分や家族が元気で生活している感謝の気持ちこめてお参りしましょう。
お墓参りは、お盆期間である13~16日の中の一般的には13日に行われます。
この日に迎え火をともしてお墓にお迎えに行く意味を込めてお墓参りをします。
盆踊り
ご先祖さまが戻ってきたときに、家族とともに楽しく過ごし、そして送り出すための行事です。
もともとは寺社の境内で行われていましたが、
近年は広場や公園などの人が多く集まれる所に櫓(やぐら)を組んで、
露店などが出て、地域の親睦などを目的として行われるものが多くあります。
お盆の時期に帰省する人も多いので、故郷で久しぶりに知人に顔をあわせる機会にもなっているようですね。
子どもには、
「お盆にご先祖さまが来たときに、家族で楽しいひと時を過ごせるようにするのよ。」
と話すのはいかがでしょうか。
ご先祖さまって誰?
ここまでのお話の中で頻繁に出てきた「ご先祖さま」ですが、
子どもにとっては目に見えないご先祖さまがいったい誰なのかを疑問に思うものです。
意味としては、
「現代人の、既に亡くなった数世代以前の血縁者全般のこと。」
ということです。
子どもにわかりやすくいうなら、
「あなたのお父さんやお母さんのお父さんお母さん、そのまたお父さんお母さん、そのまたお父さんお母さんのそのまたお父さんお母さん… 」
といつまでも続きますが、これが一番わかりやすい伝え方なのではないかな、と思います。
お盆にお墓参りへ行くのはなぜか
仏教では、お墓参りをすることで先祖や故人を弔い、冥福を祈る場であると考えられています。
またご先祖さまが眠るお墓に顔を出して、自分や家族が元気に過ごしているということを報告し、今の自分達があるのは、先祖代々続いてくれたおかげであることを感謝するという意味をもっています。
もし、やむを得ない事情でお盆に顔を出せない時は、お盆よりも前に早めに済ませるのが良いでしょう。
お墓参りへ行ったら、
お墓の掃除を行い、お供え物やお花を飾ります。
それからお線香をあげて合掌します。
お参りがすんだら片付けも忘れずにしましょう。
子どもには、
「たくさんのご先祖さまのおかげで、今私たちは元気に生きているのよ。
お墓参りに行ったら、元気で生きていることへの感謝の気持ちを伝えようね。 」
とお話ししてあげましょうね。
まとめ
今回は、お盆とは一体何か、いつのことで、なにをするのか、ご先祖さまとは誰か、お墓参りをする理由についてお伝えしました。
お盆とは、「ご先祖さまの霊をお迎えして、感謝の気持ちを伝える日」で、
期間は、地域によって異なり7月13日から16日に行うところもありますが、
「8月13日から16日」に行うところが多いです。
お盆は、ご先祖さまをお迎えするために、
「13日に迎え火、16日には送り火」をし、
「割り箸がささったきゅうりとなす、ほおずき、それに果物とだんご」をお供えします。
そして、「お墓参り」「盆踊り」をするのでしたね。
ご先祖さまは、「お父さんやお母さんのお父さんお母さん、そのまたお父さんお母さん、そのまたお父さんお母さんのそのまたお父さんお母さん…」
お墓参りは、「元気に生きていることへの感謝の気持ちをご先祖さまに伝える」ためにする
でしたね。
きっと子ども心には色々な疑問があることでしょう。
これからは子どもに聞かれたらこのように伝えてあげたいです。
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